国沢光宏のホットコラム

2011 クルマの豆知識

Vol.92「進化し続けるカーナビ」

ここにきてカーナビは最小限の機能で構成された『PND』と『サイバーナビ』に代表される新世代の高機能型ナビゲーションシステムに二極化されてきた。果たしてどちらを選んだらいいか?アナログ放送の停波でカーナビ(オーディオ)を交換しようとしている人は参考にしていただけたら嬉しい。

まずPND(パーソナル・ナビゲーション・デバイスの略)から。アンテナの配線や、取り付け作業が不要のため今や大人気。日本ブランドからリーズナブルなアジアンブランドまで幅広い商品ラインアップになってきた。高機能型で実勢価格は6万円台。安価なタイプだと1万円を割っているほど。

例えば国内ブランドの6万円台の商品を見ると、液晶画面は従来の3倍のきめ細かさを持つVGAで、20万円級純正ナビと同等の7型ワイド。FMのVICS情報により、渋滞を考慮した道案内までしてくれる。ナビとしての性能は文句なし。3D表示や、最小5m(!)縮尺の市街地詳細図まで入ってるほど。

当然の如くワンセグTV機能も付く。400曲を保存でき、音声はトランスミッターでFMに飛ばせます(車載ラジオのスピーカーから音が出る)。つまり6万円台のPNDを装着したら、ナビ機能はもちろん、TVとオーディオまでカバー出来てしまう。同じ機能で3万円台の製品もある。

また、1万円台で買える4,3型液晶画面の小型のPNDなら、自転車やバイクに搭載することも可能(内蔵電源で3時間くらい使える)。iPhoneなどの携帯端末にもGPS機能は付いているが、実用性を考えれば専用品には勝てない。ネットの検索で『PND』と入れれば、たくさんヒットします。

一方、純正ナビと同等の20万円以上の予算を投入したなら高機能の最先端ナビが購入出来る。前述のサイバーナビなど実機を見て驚いた。ナビ画面に実写の画像を表示するのだ。これを使って目的地案内をさせれば、変わった形の交差点や連続する交差点で右左折を迷うようなことは無い。

さらにCCDカメラを使った前方監視オプション装置を加えることにより、先行車の車間距離感知(短いと警告を表示)や、居眠り運転による車線逸脱などの判定まで行ってくれる。もはや「道案内」だけでなく運転の相棒と言ったイメージ。安全性の補強まで行ってくれるのだから驚く。

もちろんTVは画面の粗いワンセグではなく、良質な通常の地デジが映る。DVDもセットになっているので、9インチの液晶画面で映画を見ることだって出来る。10年使うことを考えれば納得できるコストパフォーマンス。20万円以上するものの、内容も伴う。たまにはカー用品屋さんに行ってみたらいかがか?

国沢光宏
国沢光宏 - 昭和33年東京都中野生まれ。

学生時代から自動車専門誌などでレポーターを始め、その後出版社を経てフリーの自動車ジャーナリストに。
著書に「愛車学」(PHP研究所)「ハイブリッド自動車の本」(三推社/講談社)「クルマの寿命を伸ばす本」(同)を始め多数。得意分野は環境問題、次世代の技術解説、新車解説。
毎日1万人が見に来る(KUNISAWA.NET)も好評。

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