国沢光宏のホットコラム

2009 クルマ&バイク情報

Vol.62「クルマの購入をお考えの方へ・・・」

100年に一度と言われる不況の中、自動車メーカーは適正水準の在庫に戻すべく驚くほどの好条件を出し始めた。新車の値引については個別交渉のため正確なデータで紹介しにくいので、価格を提示している中古車市場を分析してみよう。

マセラッティなど超高額車も例外じゃありません。

日本全国の最新中古車相場をネットで簡単に調べられる『カーセンサーnet』を見ると驚くばかり!なかでも顕著に増えているのが、新車としての在庫を減らすため行う「登録しただけの中古車」だ。

表向きは「中古車」ということで販売しているものの、日本車なら走行数km。工場を出荷してからのシステムが異なる輸入車で数百kmしか走っていない。もちろん新車時に付いている内装のビニールカバーもそのままの状態。この手の中古車(ひと昔前は新古車などと呼ばれた)、以前から存在したものの、ここにきて急増している。なかでも250万円以上するモデルは、ほぼ全ての車種が揃っていると思えるほど。

例えば輸入車。人気の『BMW320i』は、本来なら416万円。けれど300万円の予算があれば、いくらでも探せる状況。なかには487万円の323iで298万円という売り物も!

「これはお買い得ですね!」なのが『VWゴルフのトレンドライン』(低燃費でパワフルな過給エンジンTSIと伝達効率の良い新世代の7速DSGタイプのATを組みあわせた人気モデル)。新車なら253万円するのに200万円を切り始めた。

Xトレイルのクリーンディーゼルも中古車で出回ってます。

日本車も大いに魅力的だ。新車で307万6500円の『レガシィB4 2.0GTアーバンセレクション』が250万円以下。トヨタだって例外でない。333万円の3.5リッターエンジン搭載の『マークXジオ』は250万円を下回っている。

これらの「登録しただけの新車」、日本車も輸入車も基本的に新車ディーラーに併設されている中古車部門に並ぶ(同じ敷地内ということも……)。したがって保証も受けられるし、サービス体勢だって心配ない。本当の意味での「中古車」になると一段と魅力的な価格に。日産GT-Rの場合、新車で『プレミアムエディション』を購入しようとすれば924万円。なのに走行5千km以下の“ほぼ新車”と言って良い中古車が700万円以下。861万円のベースグレードなら600万円を下回るほど。「新車以外買わない」という人なら、登録しただけの新車の相場をベースに商談をすすめたらいいだろう。

日産GT-R

大雑把な目安で言うと、新車の20%引きといったあたりだろうか。300万円のクルマなら60万円引き。

注意して欲しいのが「売り切れ次第セールは終了」だということ。むしろ在庫整理終了後、利益確保のため値引き条件は厳しくなる可能性すらある。なるべく早く動いて吉だと思います。

国沢光宏
国沢光宏 - 昭和33年東京都中野生まれ。

学生時代から自動車専門誌などでレポーターを始め、その後出版社を経てフリーの自動車ジャーナリストに。
著書に「愛車学」(PHP研究所)「ハイブリッド自動車の本」(三推社/講談社)「クルマの寿命を伸ばす本」(同)を始め多数。得意分野は環境問題、次世代の技術解説、新車解説。
毎日1万人が見に来る(KUNISAWA.NET)も好評。

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