国沢光宏のホットコラム

2009 クルマ&バイク情報

Vol.63「今が買い時?中古車市場」

ここ10年ほど、日本の中古車市場はずっと安定していた。解りやすく紹介するなら、新車の販売時に下取った3~5年落ちのクルマを国内の中古車市場で販売し、それ以上経過したコンディションが良くないクルマは海外に輸出していたのである。

RAV4

補足させて頂くと、日本人のイメージする中古車といえば「年式で5年、走行距離では5万km」。10年落ちや走行10万kmという中古車になれば、安い値を付けて並べても全く売れない。しかし、日本車の耐久性たるや非常に優れており、15年/15万kmなど全く問題なし。海外の中古車業者から見ればまだまだ十分使えるクルマも、日本では驚くほど安い相場で入手出来るワケ。ひと昔前までは東南アジアやオセアニア、中東。直近だとロシアが大きな中古車の市場になっていた。2008年はロシアだけで年間56万台にもなる。

しかもここ数年、中古車の輸出台数は増加を続けており、2008年で約151万台。日本国内販売される中古車は420万台程度(輸入車の中古車も含まれる)と言うことを考えると、輸出比率の高さを理解して頂けるんじゃなかろうか。

しかし昨今の不況や、ロシアの税制変更(2008年末より中古車に対する税額を大幅にアップした)などによって中古車の輸出台数は急減。ロシアの場合、何と90%減になってしまった。

レガシィ

こうなると中古車はダブつくかと思うだろうけれど、そうでもなかったりする。景気低迷により新車の下取り車が減少し、中古車の流通台数も少なくなってきたのだ。顕著なのは、今まで主流だった3~5年落ちの中古車が少なくなってきたこと。

変わって7年以上経過した中古車が増えてきた。これまた景気の低迷で購買力が低くなり、今までなら海外に輸出されていたような“安価な物件”も国内で売れるようになってきたためだという。

2008年末から2009年3月にかけて大量発生した新古車(新車で売れないような長期在庫車をディーラー登録し中古車部門で販売する)は、ここにきて減少傾向。在庫整理が進んだということなのだろう。

セルシオ

以上、最近の中古車市場の傾向をまとめると、コンディションの良い売り物は相場高めで、流通台数も少ない。変わって7年/7万km以上の安価な中古車が増えてきた。嬉しいことに日本では低年式/多走行の中古車の評価たるや極めて低い。

セルシオの最終モデルを探すと、ナビや本革シートに代表される人気の装備が付いていないモデルなら、走行5~6万kmで150万円を切る。日本車の中でも特に耐久性のあるセルシオは、走行5万kmなど慣らし運転が終わったあたり。

そんなこんなで日本の中古車市場を見ると、お宝ザクザクみたいな状況。景気良かった時のイキオイがそのまんま残っている、と言い換えてもよかろう。天気の悪い休日はネットで、天気良ければ中古車屋さん巡りをするのも楽しいんじゃなかろうか。

国沢光宏
国沢光宏 - 昭和33年東京都中野生まれ。

学生時代から自動車専門誌などでレポーターを始め、その後出版社を経てフリーの自動車ジャーナリストに。
著書に「愛車学」(PHP研究所)「ハイブリッド自動車の本」(三推社/講談社)「クルマの寿命を伸ばす本」(同)を始め多数。得意分野は環境問題、次世代の技術解説、新車解説。
毎日1万人が見に来る(KUNISAWA.NET)も好評。

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