国沢光宏のホットコラム

2012 メンテナンス情報

Vol.102「タイヤ交換のタイミング」

三角マークのスリップサインと浅溝の部分

タイヤ交換のタイミングは二つの目安を考えれば間違いない。まずタイヤの摩耗度合い。タイヤの横側を見ると写真のような小さい三角マークが付いている。スリップサインと呼ばれる「タイヤのミゾが浅くなっている位置」に付けられています。この部分まで減ってしまえば寿命。

もう一つは経年変化で発生するタイヤ側面のヒビ。10年近く経過すると紫外線などで劣化し、表面に細かい亀裂が入ってくる。こうなるとタイヤのミゾは残っていても、高速道路でバーストする可能性が出てくるから注意。いずれも大きな事故に直結するため、タイヤをジックリ観察して頂きたい。

タイヤ交換をどこに頼んだらいいだろう?今や様々な場所でタイヤを販売している。オーソドックスなのは 1)ディーラー。その他、2)タイヤメーカーの直営店。3)カーショップ。4)ガソリンスタンド。5)ホームセンターなどでも交換可能。取り扱っているタイヤもバラエティに富む。

ディーラーすら純正指定タイヤの他、手頃な価格の社外品を取り扱っているほど。加えて最近はアジア製の格安タイヤまで出回り始めたから混乱に拍車が掛かってきた。例えば売れ筋の2リッター級ミニバンやプリウスなどに採用されている195/65R15というサイズの価格をネットで調べたらどうか。

タイヤのヒビ割れ

最安値は2500円前後(以下全て1本の価格)。このタイヤ、このところ急増している中国製だ。現物を見たところ、普通のタイヤに見える。ただ私も未だテストしたことがないなど、性能のほどは不明。また、ネット販売のため、交換作業を引き受けてくれる場所も必要。

その上のランクになると5千円前後。台湾や韓国のタイヤメーカーで作られている。このタイプのタイヤは2~3年前から出回り始めており、今やカー用品店での主力商品というイメージ。純正タイヤとしても採用されているメーカーなので、品質面の心配はしなくていいと思う。

7500円クラスになると、ヨーロッパのタイヤメーカーや、日本のタイヤメーカーがアジアの工場で生産したタイヤも揃う。円高を活かした輸入品だ。これまた品質面での心配無し。ただタイヤの性能は標準的。ベーシックタイヤという位置づけです。安心して使えればいい、という方に。

1万円前後の予算を確保すると、タイヤメーカー直営店で日本ブランドの日本製タイヤが買える。このクラスであれば燃費を重視したり、静粛性を考えたタイヤも選べるようになってきます。海外製の安いタイヤが入ってくるまでは、皆さんこの価格帯でタイヤを買っていたと思う。

ちなみにプリウスのように燃費を重視した本格的なECOを買おうとすれば、1万3千円以上の御予算を用意しなければならない。ただプリウスはタイヤが長持ちするし、安いタイヤを選ぶと燃費も大きく低下してしまう。プリウスのように特殊なクルマなら性能を追求したブランドを選びたい。

国沢光宏
国沢光宏 - 昭和33年東京都中野生まれ。

学生時代から自動車専門誌などでレポーターを始め、その後出版社を経てフリーの自動車ジャーナリストに。
著書に「愛車学」(PHP研究所)「ハイブリッド自動車の本」(三推社/講談社)「クルマの寿命を伸ばす本」(同)を始め多数。得意分野は環境問題、次世代の技術解説、新車解説。
毎日1万人が見に来る(KUNISAWA.NET)も好評。

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