国沢光宏のホットコラム

2005 メンテナンス情報

Vol.18「クルマを虫汚れから守るには・・・」

春から晩秋に掛け、高速道路を走った後は車体の前面に虫がたくさん付着している。そのままにしている人も多いようだけれど、強い酸性の体液を持つ虫もおり、最悪の場合、塗装面を侵すこともあるから怖い。どうしたらいいだろう?基本は「付いたらすぐ落とす」という方法。こう書くと「フロントガラスなら簡単に落ちるけれど、バンパーなど樹脂部品だと雑巾で拭いたって落ちない」と思うかもしれない。確かに塗装の表面はガラスより柔らかいため、カーシャンプーを使っても大きな虫は塗装面と一体化したようになっており落ちない。

少なくとも立ち寄ったガソリンスタンドで気軽に作業出来るようなレベルじゃありません。そんな時は便利なケミカルを使うのがベスト。『プロクリーン 虫とりクリーナー』を吹きつけ、水洗いすれば驚くほど簡単に落とせます。

普通、強力な汚れ落としのクリーナーは塗装面へのダメージを与えることもあるけれど、酵素を利用する『プロクリーン 虫とりクリーナー』なら、たくさん使っても塗装面を傷めずに済み、酸性の体液によるダメージは防げます。この製品、フロントガラスや、ドアミラー、ラジエターグリルのメッキ部分にも使えるため、カー用品店に立ち寄った時に一本買っておくと秋まで便利じゃなかろうか。

ロングドライブするなら『予防措置』をすすめておく。例えば普通のワックスをフロント部分にのみ少々厚く塗っておくだけで、付着した虫を簡単に落とせる。若干高価になってしまうけれど、最近流行の『ガラス系コーティング剤』(一般的なワックスより硬い表面の膜を作るケミカル)も効果絶大。

車体全てに塗ろうとすれば“半日がかりの大仕事”になってしまうが、前面だけなら気軽に作業出来ます。ちなみに私のクルマはプロが施工したガラスコーティングをしてあるため、虫とりクリーナーを吹き付け軽く拭いてやるだけで瞬時に落ちるから嬉しい。また、ガラスコーティングしておくと、酸性物質へのプロテクションが大幅に上がる。

虫に限らず、生物由来の液体(昆虫の体液や鳥からの落下物、樹液を含む)は、全て塗装に害を与えると考えて欲しい。知り合いの洗車屋さんに聞くと「表面を磨いただけでは落とせないほどの深さまで塗装にダメージを与えてしまっているケースが珍しくありません」。なかでも大型の鳥の落下物は酸性物質の絶対量も多く、変色する危険性大。ちなみに樹液も大敵。夏場は樹木の下の駐車スペースを選びたくなるけれど、避けるのがベストの方法。やむを得ず樹木の下に止めたら、樹液の有無を確認。付いていれば即座に洗車を。

国沢光宏
国沢光宏 - 昭和33年東京都中野生まれ。

学生時代から自動車専門誌などでレポーターを始め、その後出版社を経てフリーの自動車ジャーナリストに。
著書に「愛車学」(PHP研究所)「ハイブリッド自動車の本」(三推社/講談社)「クルマの寿命を伸ばす本」(同)を始め多数。得意分野は環境問題、次世代の技術解説、新車解説。
毎日1万人が見に来る(KUNISAWA.NET)も好評。

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