国沢光宏のホットコラム

2013 クルマの豆知識

Vol.115「クルマの維持費はどう違う?~日本車vs輸入車~」

ボルボは無料で整備点検サービスが付く

輸入車は日本車より維持費が高い、と考えている人が多い。果たしてどうなのだろう。

まず新車の場合から。輸入車業界も「維持費の高さで敬遠されている」ということを認識しており、今や大半のインポーターで3年間無料整備のサービスを付けている。保証期間内のオイル交換など無料。加えて定期点検の整備費用まで含まれます。ワイパーゴム等の部品も交換してくれるのだから安心。しかも大半は2年間の延長補償が可能。例えばボルボなら『パスポート・プラス』というメニューを持っており、5万2500円で加入出来る。これに入れば5年分の整備費をセーブ可能。5年ごとの乗り換えを考えている人であれば、1回目の車検整備費用+タイヤ交換1回分くらいで済む(ブレーキパッドは無料整備に含まれる)。基本的に延長補償はお得な料金設定になっているため、入った方が安心。ただインポーターにより条件などが違うため、しっかりチェックしたい。

日産リーフは充電料金+整備サービスで年間1万8千円

日本車も有料ながら3~5年間のメンテナンスサービスを用意している。三菱自動車の『ハーティプラスメンテナンス』の料金表を見ると、通常3万5千円の整備料金が2万3千円になる、といったイメージ。ディーラーより安価な整備工場などを利用した時の出費と大差ない。

輸入車はメンテナンスに専門の工具や診断装置、ノウハウが必要。したがって街の整備工場に頼めば割高になりがち。その代わり無料整備サービスを付けている。日本車ならカー用品店だって簡単な整備を受けられるため、無料整備サービス制度は無くても問題ないと言うことです。

結果的に新車に限って言えば輸入車の方がお金は掛からない、という状況。強いてランニングコスト面で輸入車の不利さを挙げるなら、ハイオク仕様車の比率の多さだろう。燃費が同じなら、燃料コストは10%近く割高になってしまう。最近は任意保険も輸入車の割高感は大幅に減った。

無料サービスが終了した後の維持費だとどうか?これはもうピンキリである。ディーラーに整備を頼めば日本車の50%増しくらいになってしまう。輸入車を得意としている個人経営の修理工場であれば、日本車と大差ない金額で済む。古いクルマだと中古部品も使えます。ただし新車時に1千万円前後する高価な輸入車だと、使われている部品も驚くほど高い。やはり壊れた時の整備費用は相当覚悟しなければならない。

以上。新車に限って言えば日本車より輸入車の方が維持費は安いが、5年以降のクルマになると多少日本車の方が安く付く、といった感じです。

国沢光宏
国沢光宏 - 昭和33年東京都中野生まれ。

学生時代から自動車専門誌などでレポーターを始め、その後出版社を経てフリーの自動車ジャーナリストに。
著書に「愛車学」(PHP研究所)「ハイブリッド自動車の本」(三推社/講談社)「クルマの寿命を伸ばす本」(同)を始め多数。得意分野は環境問題、次世代の技術解説、新車解説。
毎日1万人が見に来る(KUNISAWA.NET)も好評。

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