国沢光宏のホットコラム

2014 クルマの豆知識

Vol.124「カーシェアリングのシステムとは?」

このところ都市部を中心にカーシェアリングが急速に増えてきた。コインパーキングなどで『カーシェアリング』の看板などを見る機会も多い。果たしてどんなシステムなのだろうか? 自分のクルマを手放してのカーシェアリングも考えるべきだろうか?以下、ジックリ紹介します。

タイムズカーも大手

まずシステムから。最大手の『オリックスカーシェア』のシステムを見ると、基本料金が2千円のプランと無料のプランの二つから選べる。利用料金は2千円プランで15分200円。無料プランだと15分300円。毎月90分以上使う人なら2千円プランを選んだ方が得な計算。

それ以外に走行1kmあたり15円掛かる(ガソリン代は15円に含まれるので別途負担無し)。基本料金無料プランで1時間/20km走ったら1500円ということになります。ちなみに長時間使用は基本料金2千円プランで12時間4500円。安いレンタカーを借りた方が割安だと思う。

出先で少しだけクルマを使いたいような時も便利。東京と名古屋、大阪近郊なら、ほぼ全域を網羅してる。ただ片道利用の乗り捨ては出来ない。上乗せ料金無しの片道利用が出来るようになったら、もはや競合はマイカーやレンタカーでなく、タクシーやバス、鉄道など公共の交通機関になります。

最近急増中なのがカレコ

ということで主な使い道は、1時間程度のお買い物か、家族やお客さんの送迎といったイメージ。半日以上で使うならレンタカーに分がありますから。果たしてマイカーとレンタカー、カーシェアリング、何が一番リーズナブルなのだろう。それぞれ計算してみたのでご参考まで。

最もリーズナブルにマイカーを持とうとした場合、必要最小限の軽自動車なら諸費用込みで100万円程度。税金や保険、整備など毎年のランニングコストは所有11年間※で50万円くらいだから、合計150万円。こいつを月割りにすれば1万1360円だ(ガソリン代は除く)。

レンタカーの料金を調べてみたら軽自動車で1日5千円程度。月に2回の利用ならレンタカー有利。そして毎月12時間までの利用だとカーシェア有利ということになります。レンタカーとカーシェアの使い分けは、休日のドライブ向きがレンタカー。日常のチョイ乗りでカーシェアといったイメージか。

この前提、保険や駐車場料金は考えていない。都市部の高い月極駐車を借りているなら、さらにカーシェアやレンタカーが有利な状況になってくるだろう。自分の家の使い方を考え「ほとんど乗らない」という人は、マイカーを手放してカーシェアやレンタカーにするという手も悪くないかもしれません。

その他「2台持っているが2台同時に使う機会は少ない」ならカーシェアを考えてよさそう。週に2~3回くらいクルマを使うような人や、レンタカーやカーシェアの予約を取りにくい連休などにドライブをするような人だと、やはりマイカーを持った方が楽しいし便利だ。

※車検のタイミングでの乗り換えを考えた一般的な所有年数

国沢光宏
国沢光宏 - 昭和33年東京都中野生まれ。

学生時代から自動車専門誌などでレポーターを始め、その後出版社を経てフリーの自動車ジャーナリストに。
著書に「愛車学」(PHP研究所)「ハイブリッド自動車の本」(三推社/講談社)「クルマの寿命を伸ばす本」(同)を始め多数。得意分野は環境問題、次世代の技術解説、新車解説。
毎日1万人が見に来る(KUNISAWA.NET)も好評。

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