国沢光宏のホットコラム

2014 クルマ&バイク情報

Vol.125「往年の人気車が復活!?」

IDx

VWビートルやミニ、フィアット500と言った往年の人気車の雰囲気を持つクルマの売れ行きは世界的な規模で好調だ。ビートルやミニなど、フルモデルチェンジして新型に切り替えるほど売れてます。ここにきて日本の自動車メーカーも、この路線を狙ってくる模様。果たしてどんなクルマか?

筆頭は昨年の東京モーターショーに出展された日産の『IDx』。写真の如く、イメージとしては初代シルビアや510ブルーバード、チェリーX1等々1960年代後半から1970年前半の日産車風。当時の日産車は元気一杯で、クルマ好きのツボにハマる車種が多かった。

この「IDx」が何と! 多くのアンケートで東京モーターショー2013の人気No1になってしまう。驚くべきはその後。日産はアメリカで行われたデトロイトショーにもIDxを出展したのだけれど、これまたアメリカのクルマ好きから大歓迎される。日産経営陣に聞いてみたら「意外な人気に驚きました!」。

当初は文字通りコンセプトカーとして作ったIDxながら、市販車のプロジェクトをスタートさせたようで、2016年に発売する計画らしい。5ナンバー枠に収まる車両サイズで燃費も良く車両価格が高くなければ、ビートルやミニ、フィアット500のように世界規模で売れるかもしれません。

LEVIN

トヨタは2014年の北京ショーで『レビン』という懐かしの車名をリバイバルさせた。車両は4ドアで2ドアだった往年のレビンとは異なるものの、カローラのスポーティバージョンという位置付けは同じ。高性能エンジンを搭載してくる? ぜひ日本でも売って欲しいと思う。

そのトヨタから間もなく『ランクル70』の復刻版が出るんじゃないかと言われている。こちらは「当時の雰囲気を持つ新型車」でなく、2004年まで日本でも生産されていたランクル70をそのままの姿でリバイバルさせるらしい。現在もオーストラリアなどで販売されているため、投資も不要。

1年間程度の限定販売になり、エンジンはV型6気筒の4リッターガソリン。マニュアルミッションだけという情報? シーラカンスじゃないけれど動く化石のような(デビューは30年前の1984年)クルマを新車で買える機会など稀少。駐車場に余裕のある人は検討してみたらいかがか?

自動車メーカーは多額の開発予算を投入して新型車を発売するが、成功率を見ると高いと言えない。だったらダメモトで1車種くらい往年の人気車の雰囲気を持つクルマを出してきても面白いのではなかろうか。昔のクルマならボディサイズが小さく、搭載するエンジンだって小さいため燃費も期待出来る。

レースで50勝しスカイライン神話を作った『箱スカ』に1500cc程度のエンジンを搭載し、200万円以下で売ったら思わず買ってしまいそう。不況から抜け出すための最善の策は「欲しくなる商品」を作ることだと考えます。

国沢光宏
国沢光宏 - 昭和33年東京都中野生まれ。

学生時代から自動車専門誌などでレポーターを始め、その後出版社を経てフリーの自動車ジャーナリストに。
著書に「愛車学」(PHP研究所)「ハイブリッド自動車の本」(三推社/講談社)「クルマの寿命を伸ばす本」(同)を始め多数。得意分野は環境問題、次世代の技術解説、新車解説。
毎日1万人が見に来る(KUNISAWA.NET)も好評。

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