国沢光宏のホットコラム

2016 メンテナンス情報

Vol.149「自分でできるフロントガラスの補修方法」

長くクルマに乗っていると、飛び石でフロントガラスにキズ付いた経験をしたことがあると思う。どんなに小さいヒビやキズであっても車検は通らない。加えて後述する通り、ヒビは拡大していく。安全のためにも早めの交換や補修をすすめておく。ここで気になってくるのが費用。最近のフロントガラスは高価。10万円を超える車種も珍しくない。

もちろん車両保険に入っていれば使うことが可能。飛び石の場合「他のクルマから受けた損害」という解釈になるため、相手を特定できなくても『エコノミー車両保険』(通常の車両保険より安価な保険料)を含めて事故証明無しで補填される。ただし担保金額(保険を使うときに支払う一定の金額。契約書に明記されている)は必要。

また、2012年10月以降に保険の契約をした人は、フロンドガラス交換をすると翌年の無事故割引が1等級引き上げられてしまう。ということで、2012年以前から契約していて、担保金額無しの人なら飛び石を受けたら遠慮なく交換すればOK。この条件に当てはまらないケースは、専用商品を使った、自身でのリペアを考えてみてはどうか?

例えば『UFIXITガラスリペアキット』の場合、大きいダメージだと修復出来ないものの、マニュアルを見ると‥‥

  • ヒビ=100mm未満
  • スター=30mm未満
  • ブルズアイ=20mm未満
  • チップ=5mm未満

であれば補修出来る。どういったタイプのキズなのか解りにくいと思うので、リンク先の写真を見て頂きたい。上に挙げた目安の半分くらいのダメージなら直した経験があるが、比較的容易かつキレイに仕上がった。

作業手順はマニュアルに詳しく書いてあるが、簡単に紹介すると損傷を受けたガラス部分に液体レジンを流し込んで硬化させるというもの。必要なツールはセットになっているし、コツを教えてくれる動画も用意されている。

重要なのはキズを作ってからの時間。ヒビだと走行時に受ける車体の振動により成長していってしまう。当初10mm程度のヒビだったとしても、ジワジワ伸びていき、修復不可能な長さになる。表面のキズは大気中の汚れが染みこむことにより、レジンを入れても透明にならない可能性も出てくる。

UFIXITガラスリペアキット』は価格は税込みで4,514円。KUREオンラインショップでも購入出来るからすぐ入手可能。

自分で作業する自信のない人は、ネットで『ガラスリペア』と検索すると業者が出てくる。キズの大きさにもよるけれど、小さければ9000円程度から。自分では難しい大きなキズだと2万円程度。経験上、小さいキズなら自分で作業しても割とキレイに仕上がります。いずれにしろガラス交換よりずっとリーズナブルに済む。

国沢光宏
国沢光宏 - 昭和33年東京都中野生まれ。

学生時代から自動車専門誌などでレポーターを始め、その後出版社を経てフリーの自動車ジャーナリストに。
著書に「愛車学」(PHP研究所)「ハイブリッド自動車の本」(三推社/講談社)「クルマの寿命を伸ばす本」(同)を始め多数。得意分野は環境問題、次世代の技術解説、新車解説。
毎日1万人が見に来る(KUNISAWA.NET)も好評。

PAGE TOP