国沢光宏のホットコラム

2014 モーターショー

Vol.130「アジアのモーターショー」

残念なことに日本は中国や韓国と冷たい関係になってしまっているけれど、未来永劫このような状況と言うことも考えられない。加えて世界レベルで見ると両国共に手強いライバル。自動車関連産業では直近の10年で最も重要な競争相手になると思う。こんな時だからこそ研究してみたらいかがか?

具体的に言えばモーターショーの視察である。ここにきて中国のモーターショーは規模がドンドン大きくなってきた。隔年開催となる北京と上海のモーターショーなど、すでに東京モーターショーを圧倒。いや、毎年行われる広州のモーターショーですら東京など相手にしない規模で行われるほど。

日本だけで自動車ビジネスをするなら中国など気にしなくていいだろうけれど、アメリカやヨーロッパ、アジア市場に於いても中国自動車産業のポジションが大幅にアップ。無視出来る状況では無くなった。今こそ現地を訪れ、競争相手としての実力や規模を自分の目で確認したらいいと思う。

ここまで読んで「モーターショー会場に行くのは難しいのでは?」と思うかもしれない。確かに3月のジュネーヴショー(スイス)や9月のフランクフルト(ドイツ)、1月のデトロイトショー(アメリカ)の場合、往復の航空券や現地のホテルを確保するのに苦労する。ホテル代など高騰します。

しかし中国やアジアのモーターショーは大きな都市で開催されるため、宿泊施設のキャパシティが大きく、日本からの飛行機だって空いている(特に昨今は予約が取りやすくチケットも安い)。ホテルのある街中からモーターショー会場までのアクセスも中国は全て地下鉄で往復可能。

第9回 ソウルモーターショー

以下、直近に行われるおすすめのモーターショーを紹介しておく。まず2015年4月3日~12日開催予定とされるのが隔年開催となる『ソウルモーターショー』。急速に世界規模で存在感を増している韓国の自動車メーカーが最新の技術を出してくる。電気自動車やハイブリッドも多い。

平日なら空いているため、ジックリ観られるだろう。会場はソウル市内から地下鉄で一本の『KINTEX』(タクシーでも2千円程度)。福岡などなら東京へ行くより近いため、日本からの飛行機代が安く、ホテルも豊富。海外のモーターショー入門編としては最適かもしれません。

第15回 オート上海

2015年4月22日~29日まで行われる『オート上海』は、今や世界最大のモーターショーになった。1日で回ろうとすれば展示ブースを通過するだけで終わる。少し足を止めてみようとしたら最短で2日間掛かるほどの規模を持つ。巨大だった会場を変え、今回からさらに広くなると言うから想像も出来ない。

場所は羽田空港から直行便が出ている虹橋空港に隣接する『中国博覧会会展総合体』。上海市内から地下鉄でアクセス出来るとアナウンスされている。上海までの便も安価で予約しやすく、ホテル豊富。ただ土日は途方も無く混雑するため、平日じゃないと展示物をみられないと思う。

国沢光宏
国沢光宏 - 昭和33年東京都中野生まれ。

学生時代から自動車専門誌などでレポーターを始め、その後出版社を経てフリーの自動車ジャーナリストに。
著書に「愛車学」(PHP研究所)「ハイブリッド自動車の本」(三推社/講談社)「クルマの寿命を伸ばす本」(同)を始め多数。得意分野は環境問題、次世代の技術解説、新車解説。
毎日1万人が見に来る(KUNISAWA.NET)も好評。

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