国沢光宏のホットコラム

2012 クルマ&バイク情報

Vol.96「2012年クルマ業界の展望」

今年大ヒット確実な次期型キャラバン

年明け早々、良くないニュースが多い。米GMの自動車生産世界一の奪還だったり、韓国勢の躍進だったり、超円高だったり。明るさを感じさせる情報は皆無に近いと思えるほど。果たして2012年の自動車業界に楽しいニュースなど無いだろうか?様々な情報を探ってみた。

結論から書くと「春先くらいから期待出来るようになりそう」です。まず自動車の売れ行きを意味する「生産台数」だけれど、言うまでもなく昨年大幅に落ち込んだのは東日本大震災による被災が最大の理由。世界的に部品不足となった。トヨタやホンダについていえば、タイの洪水被害も大きい。

しかし今や各社フル稼働になっている。ホンダのタイ工場も4月には生産再開となる予定。有り難いことに日本車の評価を見ると依然として高く、作れば売れる状態。もちろんGMやフォード、VW、現代自動車という強力なライバルが台頭しているものの、日本車のアドバンテージは小さくない。

夏になると次世代のクルマの情報が出てくると思う。日本の自動車メーカーは2008年のリーマンショックとライバルの存在感急上昇を見て、2010年秋あたりから大きく方向変換し、環境技術や低コスト化に技術力を集中し始めた。その結果が今年の半ばあたりから出てくるだろう。

ホンダから登場する電気自動車

自動車の開発というのは時間を必要とする。ダイハツ・イースのような比較的部品数の少ない軽自動車でも全面変更しようとすれば2年間以上掛かる。次期型のホンダ・フィットなどは、車両重量の徹底的な見直しと新型次世代エンジンを組み合わせてくると言われます。ここまでやれば3年間必要。

ということで、日本の自動車メーカーが強い危機感を持って開発した次世代車は2012年の秋あたりから次々と出てくる予定。いずれも今までの常識を変えるようなスペックになる模様。例えば次期型トヨタ・クラウンのエンジンは1,6リッター過給になると言われてます。

軽自動車はリッター30kmを超え、コンパクトカーでリッター30kmに限りなく近い燃費が普通になっていく。数年前から買い換えをしなくなった人達も、さすがに10年以上のクルマに乗り続けるのは厳しくなっている。ECOカー補助金効果もあり、国内販売が伸びていくことだろう。

また、急激な円高に対応するため部品調達を海外で行うようになり、結果的に収益状況が大幅に改善される。日本の基幹産業である自動車業界に活気が出てくれば、日本全体の雰囲気も良くなっていくだろう。何より新車を買った人は幸せな気分になれる。以上、期待を込め今年の情報を予想してみました。

国沢光宏
国沢光宏 - 昭和33年東京都中野生まれ。

学生時代から自動車専門誌などでレポーターを始め、その後出版社を経てフリーの自動車ジャーナリストに。
著書に「愛車学」(PHP研究所)「ハイブリッド自動車の本」(三推社/講談社)「クルマの寿命を伸ばす本」(同)を始め多数。得意分野は環境問題、次世代の技術解説、新車解説。
毎日1万人が見に来る(KUNISAWA.NET)も好評。

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