国沢光宏のホットコラム

2010 クルマの豆知識

Vol.80「ガラスコートの実力」

出来ればクルマはピカピカの状態で乗りたい。でも大汗かいてワックス掛けする気になれない。という読者諸兄は多いと思う。私など典型例です。そんな人におすすめしたいのが、ガラスコーティングである。塗装の上にガラスの皮膜を作り、汚れをシャットアウトしようというもの。

古いクルマでもビガビガになります

どのくらい凄いか? これはもう驚くばかり。私が初めてガラスコーティングしたクルマは6年前のプリウスだけれど、未だにツヤを失っておらず、水垢も付かない。東京の汚染された大気の汚れすら、薄い中性洗剤を使えば強く擦ったりすることなくピカピカのボディになったほど。

もちろん現在乗っているプリウスにも施工してあり、水洗いだけで新車のようなコンディションになってしまう。私の経験上、おそらく青空駐車で5年。屋根のある駐車スペースなら8年以上効果を発揮するハズ。なんでこんなにも長寿命なのだろうか。専門家に聞いてみたら「圧倒的に皮膜が丈夫になったからです」とのこと。

マスキングは徹底的に行う

一昔前に主流だった『ポリマーコート』の場合、天然油脂を使うワックスよりはるかに強い皮膜を持っていたものの、半年~1年程度で落ちてしまった。ガラスコートの皮膜は文字通りガラス(シリカ)。適正な施工さえ行えば、理論上は10年以上効果をキープ出来る。

唯一にして最大の難点が価格。ポリマーコートなら3万円くらいからのコースだった。しかしガラスコートになると、最低レベルで8万円(プリウス級)。平均して10万円程度。コダワリのショップだと12万円といったイメージ。決して気軽に依頼できる金額ではない。

ワックス掛けを趣味としているなら、楽しみを奪われた上、お金も掛かる。迷うことなく不要かと。ただ洗車を依頼するような人なら、コスト計算をすると案外モトが取れてしまう。例えば1回あたり1500円の洗車を毎月1回行えば、年間1万8千円。6年で10万8千円になります。

新車時のガラスコートがおすすめ

しかもこの予算だと丁寧な水垢落としやワックス掛けは出来ないためピカピカになりませんが、ガラスコートをしておくと、水洗いだけでピカピカになるし、洗車機を使っても磨き傷が付かない。さらに5~7年で手放す時の査定額だってガラスコートしておくと大幅に有利。

ということで高く感じるガラスコートなれど、長い目で評価すると十分リーズナブルだったりする。興味のある諸兄は、是非一度お試しください。

国沢光宏
国沢光宏 - 昭和33年東京都中野生まれ。

学生時代から自動車専門誌などでレポーターを始め、その後出版社を経てフリーの自動車ジャーナリストに。
著書に「愛車学」(PHP研究所)「ハイブリッド自動車の本」(三推社/講談社)「クルマの寿命を伸ばす本」(同)を始め多数。得意分野は環境問題、次世代の技術解説、新車解説。
毎日1万人が見に来る(KUNISAWA.NET)も好評。

PAGE TOP