国沢光宏のホットコラム

2011 ドライビングテクニック

Vol.90「夜間走行の注意点」

夏休みや盆暮れは夜間にクルマを運転する機会が多くなりがち。しかも震災以後、夜間の照明を大幅に削減している。周囲の明かりの無い野山の道路なら夜間照明が無くてもヘッドライトの明かりで視界を確保できるものの、中途半端に明るい都市部で夜間照明が無くなると、視認性が大幅に悪化してしまう。

ということで夜間走行のノウハウを。まずおすすめしたいのがヘッドライトのチェック。夜間のロングドライブするとヘッドライトは汚れてしまう。特に夏場だと虫の付着で光量ダウンとなる。水では虫の油分が落ちないため『プロクリーン 虫とりクリーナー』をクルマに用意しておくと便利。

また、プラスティックレンズを使ったヘッドライトは経年変化によって表面が曇ることも。ライトケースの内部まで汚れてしまっているケースもある。普通のクリーナーだと「くもり」や「くすみ」は取れない。微粒子コンパウンド入りの『LOOX』を使ってみたらいかがか。ピカピカになります。

ヘッドライトの光量を増やすという手もある。HID(ディスチャージライトとも言う)装備のクルマなら十分明るいが、純正のハロゲンランプは案外物足りない。「暗さ」に弱い近眼や老眼、メガネの人であればヘッドライト交換すると「こんなに明るくなるのね!」と嬉しくなる。

後付けのHIDに交換するのが最も効果的だけれど(消費電力が減るため燃費も改善する)、カー用品屋さんで扱っている車検対応の「明るいバルブ」への交換なら手軽。現在使っているバルブは保管しておけば、ヘッドライト切れの時に使えます。ちなみに注意点としてハロゲン球の発光部分は素手で触らないこと(指の脂分が付着するため)。

視界の確保という観点からもう一つ。古くなったワイパーブレードや、油膜の付いたフロントガラスも夜間走行の大きな障害になる。繰り返しになるけれど夜間走行で最も重要なのは「道路状況を視認できること」。ラリー競技で夜間走行する際、必ず強力な補助灯を使う。見えないと安全に走れません。

市街地でも国道でも高速道路でも山間部でも「見えにくいな」と感じたら、意識的に速度を落とすこと。ラリー競技の場合、見えにくい場所で無理した途端、たいてい大きなダメージを負う。早く目的地に到着したい気持ちを抑え、夜のドライブをノンビリ楽しんでいただきたい。

ちなみにこういったノウハウは夜間走行だけに限らない。震災後、照明カット区間が増えたトンネルも同じ。明るい区間から真っ暗なトンネルに入った瞬間はどうしても目が追いつかない(瞳孔の反応は早い人で数秒かかる)。光量の変化に弱いなら、「光量ある区間でサングラスを使いトンネルに入ったら外す」というテクニックも有効。

国沢光宏
国沢光宏 - 昭和33年東京都中野生まれ。

学生時代から自動車専門誌などでレポーターを始め、その後出版社を経てフリーの自動車ジャーナリストに。
著書に「愛車学」(PHP研究所)「ハイブリッド自動車の本」(三推社/講談社)「クルマの寿命を伸ばす本」(同)を始め多数。得意分野は環境問題、次世代の技術解説、新車解説。
毎日1万人が見に来る(KUNISAWA.NET)も好評。

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