国沢光宏のホットコラム

2008 クルマ&バイク情報

Vol.55「国沢光宏が選ぶ名車ベスト10 PartI」

自動車販売の低迷は「クルマそのものがつまらなくなった」という要因も大きい。だからこそミニやフィアット500の現代版が売れるのだろう。そこで現代にリバイバルさせたら人気間違い無しの名車ベスト10を挙げてみました。まず10位から6位まで。

10位レビン/トレノ

1972~74年

若い人であればイニシャルDに登場する『AE86』をイメージするかもしれない。けれど40代後半以上の方ならカローラのボディに高性能エンジンを詰め込み、ビス留めオーバーフェンダーを付けた『TE27』である。

いつの時代もクルマ好きにとって「コンパクトな後輪駆動車」という響きは魅力的です。
トヨタはスバルの水平対向エンジンを搭載した200万円台前半のスポーティな後輪駆動車を開発中だという。大いに楽しみ。

9位スバル360

1958~70年 写真提供:朝日自動車販売

このクルマの本質は「ミニマムサイズのボディで最大限のキャビンスペースを確保。

徹底した軽量化により小さいエンジンでも実用的な動力性能を確保」したという点にある。
先日も取材で試乗したが、あまりの狭さと楽しさにシビれました。
小型軽量化を追求したEV(電気自動車)でスバル360のようなクルマを作ったら環境問題に敏感な若いユーザー層も興味を示してくれるかもしれない。EVには航続距離の短さといった弱点もあるけれど、多少の不便さこそ自動車趣味の原点だと思う。

8位シビック

1972~79年 写真提供:朝日自動車販売

初代シビックがデビューした当時、ファミリーカーと言えばサニーやカローラに代表されるセダンタイプの後輪駆動車ばかり。そんな中、シビックはヨーロッパ車のようなFFの2BOXスタイルでデビュー。クルマ好きの注目を浴びた。

「最近のクルマのつまらなさ」は、どのクルマを見ても新鮮さを感じないというあたりにあるように感じてならない。これまでの価値観と全く違うようなボディスタイルや使い勝手を持つ新型車が出てくれば、きっと乗ってみたくなるハズ。

7位グロリア

1967~72年 写真提供:朝日自動車販売

旧車の特集を行うと、必ず人気ベスト10に入ってくるのが古い世代のグロリア。
一番驚くポイントは「5ナンバーサイズのボディなのに相当な存在感があること」。比較的新しいタテ目のモデル(旧プリンス自動車最後のクルマ)でさえ、今見ても大きく見える。
対照的に現代のクルマは小さく感じてならない。シビックなどはグロリアより55mmも幅広い1750mmというスペックを持つ。環境の時代を考えると、ダウンサイジングが重要。
古いクルマのデザインを参考にし、小さく、そして軽くても存在感のある高級車などいかがだろう。

6位バモスホンダ

1970~73年 写真提供:朝日自動車販売

このクルマ、御存知だろうか?軽自動車の上半分をバギーのようなスタイルにしたクルマで、イギリスの『ミニ・モーク』を参考にして作られたと言われている。
見た瞬間、誰もが「乗ってみたい!」と思うことだろう。
軽自動車ベースに、可能な限り簡略なボディを組み合わせたモデルというのもECO。同じ時期、ダイハツも「フェローバギー」というバギースタイルの軽自動車を限定販売している。
価格さえ下げれば需要は出てくることだろう。

次回は、5位から1位までを紹介します。

国沢光宏
国沢光宏 - 昭和33年東京都中野生まれ。

学生時代から自動車専門誌などでレポーターを始め、その後出版社を経てフリーの自動車ジャーナリストに。
著書に「愛車学」(PHP研究所)「ハイブリッド自動車の本」(三推社/講談社)「クルマの寿命を伸ばす本」(同)を始め多数。得意分野は環境問題、次世代の技術解説、新車解説。
毎日1万人が見に来る(KUNISAWA.NET)も好評。

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