国沢光宏のホットコラム

2007 クルマ&バイク情報

Vol.46「軽自動車の可能性」

ここにきて販売台数は伸び悩み始めたものの、軽自動車の販売シェアが過去最大となった。
2007年1月~9月までの販売台数を調べると、白いナンバーのいわゆる「登録車」225万台(輸入車を含む)に対し、軽乗用車114万台という具合。今や3台に1台は軽自動車なのだ。

軽自動車のエンジンは厳し条件で使われる

なぜ軽自動車人気か?
まず経済性。御存知の通り軽自動車は様々な点で優遇されている。
自動車税額表を見ると、軽自動車なら年額7200円。白いナンバーの登録車だと2万9500円(1000cc以下)にハネ上がってしまう。重量税や自賠責保険、任意保険も安価。
税金や車検費用に代表されるランニングコストを計算すると、1000cc車より1年間で5万円くらい安く済む。つまり軽自動車に乗り換えれば毎年5万円浮くと言うこと。しかも乗り換える時の査定額も1000ccクラスより高い。燃費を除く費用(燃費は1000ccクラスと同等)は圧倒的に有利な状況。

コンパクトカー並みに広い室内を持つムーヴ

二つ目が安全性。一昔前まで軽自動車と登録車は、衝突基準そのものから違っていた。軽自動車は大甘だったのである。当然ながら事故に遭った時のダメージレベルだって違う。結果として「軽自動車は怖い」と言われてたワケ。実際、1998年以前に売られていた旧規格軽自動車のハンドルを握ると、シートベルトを着装していても、どこかしら不安感を抱く。なのに今や「自動車アセスメント」(衝突安全評価)で最高点の☆6つを獲得しているモデルさえ出てきた。
衝突安全性強化と合わせ、80km制限だった高速道路の最高速度も100kmに引き上げられ、使い勝手でのハンデまで無くなっている。
最後はクルマの完成度。販売台数の増加で各社の競争も激化。魅力的な新型車が続々デビューしてきた。もはやコンパクトカーを凌ぐ室内空間を持つ軽自動車など当たり前。毎日の足として使うなら、全く不満の無いレベルと言ってよかろう。

東京モーターショーで発表されるパレット

今後どうか。
おそらく軽自動車の販売シェアが大きく減ることなどあるまい。軽自動車最大の弱点だった燃費は、CVT(効率の良い無段変速)やアイドリングストップ装置に代表される技術を導入することで徐々に改善されてきており、遠くない将来、燃費性能も軽自動車の特徴になると思う。
今年の東京モーターショーでは、広い室内を持つモデルからスポーツカーに至るまで、様々なコンセプトを持つニューモデルが発表される。ぜひとも軽自動車の可能性を確認して欲しい。
きっと「軽自動車も楽しみ!」と感じて頂けるんじゃなかろうか。

さて。軽自動車に乗っている人や、これから買おうと思っている人なら、新製品の『オイルシステム 軽自動車用』を試して欲しい。軽自動車のエンジンは登録車より厳しい環境。
高い潤滑効果を持つオイル添加剤が良く効きます。

国沢光宏
国沢光宏 - 昭和33年東京都中野生まれ。

学生時代から自動車専門誌などでレポーターを始め、その後出版社を経てフリーの自動車ジャーナリストに。
著書に「愛車学」(PHP研究所)「ハイブリッド自動車の本」(三推社/講談社)「クルマの寿命を伸ばす本」(同)を始め多数。得意分野は環境問題、次世代の技術解説、新車解説。
毎日1万人が見に来る(KUNISAWA.NET)も好評。

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