国沢光宏のホットコラム

2020 クルマ&バイク情報

Vol.191「中古車選びのポイント」

中古車の魅力は当たり前かもしれないけれど「少ない予算でクルマが買える」ということにある。もちろん安い理由だってあります。以下、中古車を買うときに知っておきたい基本的な6つの知識について紹介しておきたい。自分で購入するときはもちろん、知人や友人から相談された際、ロジカルに中古車のメリットやデメリットについて説明して欲しい。

走行距離が少ないなら電気自動車も手が届く。

・年月や走行距離をどう考えるか?

自動車というのは年月や走行距離によって劣化していく。寿命を13年と考えたら、6年半で半額。同じく寿命を20万kmと考えるなら、10万km走ったクルマで半額といったイメージでいい。したがって6年半経ったクルマが半額以上で販売されているのなら新車を買うべきだし、半額以下であれば中古車を買った方が金銭的には得ということ。

・新車と同じような中古車は?

販売台数を確保するためや、在庫整理のためお客さんが決まっていないクルマにも関わらず登録してしまうケースも多い。中古車情報メディアを見ると、走行500km以内の売り物が多数出ている。こういったクルマはコンディションの心配なし。ただ価格についていえばケースbyケース。新車を値引きしてもらった方が安いこともあります。

・買うのはディーラーか中古車屋さんか?

一昔前まで中古車を買うならアフターサービスがしっかりしているディーラー系の中古車を買うことをすすめる記事も多かったけれど、今や日本車ならほとんど壊れない。特に最近はメーターの巻き戻しができなくなっているため、走行距離にして2万km以内のクルマなら心配なし。価格と内装のコンディションで選べばいいと思う。

ハイブリッド車のアクア

・お買い得な中古車は?

実用車として使うのなら、トヨタのハイブリッド車をすすめておく。アクアなど70万円くらいからしっかり走る中古車がたくさん流通しているし、先代プリウスだってずいぶん安くなった。燃費が良いため、普通のクルマに乗っているのなら乗り換えた方がトータルコストで安くなるケースが多い。トヨタのハイブリッド、走行用電池の耐久性が高い。

・中古車の弱点は?

やはり自動ブレーキに代表される最新の安全装備が付いていないことだと思う。自動ブレーキの登場は2011年。普及し始めてから3~4年しか経過していない。中古車だと付いていないか、付いていても歩行者の検知ができないタイプということもある。充実した安全装備を必要とするなら早い時期から採用しているスバル車から選ぶとよい。

・事故車は?

中古車を販売する際、大きな事故を経験した車両は「修復歴あり」と表示しなければならない。といってもバンパーの交換やドアの板金などは安全性に影響ないため修復歴には含めない。車体構造まで曲がったようなクルマを修復歴ありとする。1度大きな衝撃を受けると、次は設計通りに潰れないだけでなく走行にも影響する可能性があるため危険。ということで修復歴ありの車の購入は安全性の面でいえばおすすめしない。

国沢光宏
国沢光宏 - 昭和33年東京都中野生まれ。

学生時代から自動車専門誌などでレポーターを始め、その後出版社を経てフリーの自動車ジャーナリストに。
著書に「愛車学」(PHP研究所)「ハイブリッド自動車の本」(三推社/講談社)「クルマの寿命を伸ばす本」(同)を始め多数。得意分野は環境問題、次世代の技術解説、新車解説。
毎日1万人が見に来る(KUNISAWA.NET)も好評。

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