国沢光宏のホットコラム

2015 クルマ&バイク情報

Vol.140「輸入車購入時のポイント」

伸び悩みを見せる国産車に対し、輸入車は順調である。2015年1月~8月の販売台数を調べてみると、国産車は白ナンバーの登録車が昨年の同じ時期と比べ91.4%*。

最近人気のボルボV40ディーゼル

軽自動車の落ち込みはさらに大きく83.4%*になってしまった。一方、輸入車と言えば100.6%*で、わずかながら伸びている。

加えて国産車の売れ筋モデルはコンパクトカーか、小型のハイブリッド車、ミニバンに集中しており、高級車や4ドアセダンなどは輸入車の方が圧倒的に強い。

なぜ輸入車人気なのか?輸入車を購入したユーザーに聞くと、安全装備や趣味性(デザインやブランドイメージ)の高さを指摘する。

価格も接近してきた。輸入車の価格が徐々に下がっているのに対し、国産車の価格は上昇中だ。

お金があればこんなクルマも

1500ccクラスの国産車でも必要な装備を加えていくと、総支払額で300万円を突破してしまうことも珍しくない。国産ハイブリッド車と同じくらいの燃料コストで済むディーゼルエンジン搭載の輸入車も手頃。

そんなことから輸入車の購入を考えている人も少なくないと思う。果たして日本車と同じく安心して購入出来るだろうか?信頼性の低さや、メンテナンスコストの高さなどを心配するケースも多いと聞く。以下、注意すべきポイントや、購入時のアドバイスなどお届けしたい。

まず信頼性だけれど、直近の1年で輸入車も大幅に改善された。一昔前の如く「乗れば楽しいのだけれど修理工場通いでいかんともしがたい」みたいなケースはほとんど無くなったと考えていい。初期トラブルが出る確率で言えば国産車より高い傾向ながら、新車保証期間中に対策しておけば問題ない。

調べてみると輸入車に発生するトラブルの大半が「初期故障」。最初から壊れていたということ。加えて大半の輸入車ディーラーで「メンテナンスパッケージ」を行っており、最初の車検までの整備コスト付きになっている。さらに2年間の延長保証を手軽な料金で設定しているディーラーも多い。

メンテナンスコストも一昔前の輸入車より格段に低くなった。前述のメンテナンスパッケージに加入していれば、定期点検やオイル交換まで含まれている。唯一注意すべきは事故時の修理費用。国産車より高くなる傾向のため、車両保険に加入しておくことをすすめておく。

購入時に重要なのが値引き。輸入車の場合、極端な表現方法ながら「時価」のようなもの。人気車で入荷するそばから売れるような時は全く値引き交渉出来ない。けれど在庫車を多く抱えてしまっているような時だと、20%以上の値引きすら出てくる。常に最新情報を入手すること。

もう一つ。オプションは高い。契約時にアレコレ注文すると車両価格の20%を超えてしまうようなことすら珍しくない。ボディカラーのオプション一つとっても10万円以上するケースがあるほど。オプションを乗せていくなら、一つ上のグレードを選んだ方が良いことも多い。

時間のある週末など、輸入車ディーラーに足を運んでみてはいかがか?

※一般社団法人 日本自動車販売協会連合会H.P.より

国沢光宏
国沢光宏 - 昭和33年東京都中野生まれ。

学生時代から自動車専門誌などでレポーターを始め、その後出版社を経てフリーの自動車ジャーナリストに。
著書に「愛車学」(PHP研究所)「ハイブリッド自動車の本」(三推社/講談社)「クルマの寿命を伸ばす本」(同)を始め多数。得意分野は環境問題、次世代の技術解説、新車解説。
毎日1万人が見に来る(KUNISAWA.NET)も好評。

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