国沢光宏のホットコラム

2013 メンテナンス情報

Vol.113「梅雨の時期に必要なメンテナンスは?」

エンジンルーム内のホース類のケアも必要です

梅雨の季節は湿度が高く、クルマにとって厳しい環境になる。なかでも多走行車や低年式車を見ると、生産時に行った防錆処理の効果も薄れており心配。梅雨の合間にでも簡単なメンテナンスをしてみたらいかがだろうか?使い勝手の良いケミカルを使えば簡単に作業できます。

まずはエンジンルーム。劣化が進行しやすいのはゴムや樹脂部品。中でもラジエターホースや燃料系のパイプをチェックしよう。早ければ8年くらいでヒビ割れなど出てくる。ラジエターホースの破れはオーバーヒートに直結するし、燃料系のパイプ破損を起こすと最悪火災になるから怖い。

目視で確認するだけで無く、パイプ類を動かしてヒビの確認をしよう。問題無さそうなら『ラバープロテクタント』を吹き付けておくと良い。ゴム類に浸透し、本来の弾力をキープ。また表面にコート層を形成するため劣化防止にもなる。新しいクルマなら良いコンディションを長く保てます。

エアコンのコンプレッサーやオルタネーターの駆動ベルトに吹き付けると鳴き止め防止効果も持つ(『ベルト鳴き止めスプレー』を使ってもいい)。その他、ドアのウェザーストリップや、窓のシール(ウエスなどに吹いてから塗るとガラスや塗装面に付かない)などにも有効。

タイヤが石をハネる箇所はサビに注意したい

続いて下回り。ハネ石の多いタイヤハウス(フェンダー内側)や、リアタイヤ後方のボディ下面、フロントのラジエターの下部、ジャッキアップした経歴を持つクルマならジャッキを当てた場所は、新車時のコーティングが剥がれやすい。また、ハネ石の小さい傷からサビていく。

予防の意味で『スーパーラストガード』を吹いておくことをすすめる。50~70ミクロンのソフトな被膜を形成し、強力な防錆効果を持つ。そのまま吹き付けてもいいけれど、出来れば洗剤を使いブラシで汚れを落とし、乾燥させた状態で使えばバッチリ。年に2回くらい作業しておけば万全だ。

サスペンションに使われているスプリングやアーム類にサビが出ているなら、ジェルタイプの『サビ取りクリーナー』を。サビの部分に塗り、しばらく待ってブラシなどでこすり、洗い流すだけ。サビを分解してくれるため、ゴシゴシ擦らないでOK。その後に『スーパーラストガード』を吹いておくこと。

ちなみにブレーキディスクに代表されるブレーキ部分のサビは走れば落ちる。というかローター部分は絶対油脂類を掛けないこと。ホイールハウス内の作業をするなら、ブレーキローターにウエスなどを掛けておこう。ブレーキ関係の汚れや油脂落としには『ブレークリーン』を使うといい。

国沢光宏
国沢光宏 - 昭和33年東京都中野生まれ。

学生時代から自動車専門誌などでレポーターを始め、その後出版社を経てフリーの自動車ジャーナリストに。
著書に「愛車学」(PHP研究所)「ハイブリッド自動車の本」(三推社/講談社)「クルマの寿命を伸ばす本」(同)を始め多数。得意分野は環境問題、次世代の技術解説、新車解説。
毎日1万人が見に来る(KUNISAWA.NET)も好評。

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