はじめに
						今回はボックスの蓋に100円ショップなどで売っている額縁を利用して作ります。本文中のサイズ数値は、今回こちらで用意した額縁に合わせたものです。
						記載のサイズ数値は参考と考え、実際に作る場合にはだいたいの大きさを決め、その大きさに合う額縁を用意し、そこから全体のサイズ数値を決めていきましょう。
					
材料準備
						
					
						今回用意した材料は240mm×320mmサイズの額縁を蓋とした場合のものです。
						板の数は、9区分の仕切りを入れたボックス2段重ね分のものです。
					
	                    <主な材料リスト>
	                    蓋用額縁 240mm×320mm
	                    杉材 ①14mm×45mm×310mm 4枚
	                       ②14mm×45mm×282mm 4枚
	                       ③14mm×45mm×212mm 8枚
	                    底板 3mm×235mm×310mm 2枚
	                    I字金具 2個
	                    革(本革または合成皮革)100mm×50mm程度 1枚
	                    皿頭小ねじ M2×18 4個
	                    M2ナット 4個
	                    ミニビス 2×32 適量
	                    タイコ鋲 適量
	                
- 山崎さんのワンポイント
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「①がボックス本体の縦枠素材、③が横枠素材です。今回は縦枠素材で横枠素材を挟む形でボックスを作りますので、横枠素材は額縁サイズ240mmから、縦枠素材の厚み14mm(×2)を引いた212mmになります。」
 
ボックス枠の制作
					①の縦枠素材の両端から7mmのところにラインを引き、ライン上の上下10mmの位置に印を付けます。これが③の横枠素材と接合する時のネジ穴ガイドになります。
                    ネジ穴ガイドに合わせてドリルでガイド穴をあけます。この時、ドリルが貫通してもいいように素材板の下に捨て板を置くといいでしょう。
					横板素材の接合面に木工用接着剤を多めに塗ります。切り口が接着剤を吸って付きづらくなるので、多めに塗って歯ブラシなどで均等に広げるといいでしょう。
                    箱形に組んでクランプで固定し、接着剤が乾いたらガイド穴に合わせてミニビスで固定していきます。
- 山崎さんのワンポイント
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	                		「ドリルで穴をあけようとすると、斜めになってしまうことがあります。真っ直ぐにあけるコツは、あける前に前後左右から曲がりがないかを確認するのが一番です。ドリルのお尻に軽く手を添えるようにすると、自然に真っ直ぐ入っていきますが、その時は素材が動かないようにクランプなどで固定しましょう。」
 
仕切り枠の製作
(十字相欠き)
					
					今回は素材と③を使って「十字相欠き」という技法で9室の仕切りを作ります。各スペースの大きさは用途に応じて自由に決めて大丈夫ですが、横板同士、縦板同士が必ず平行になるように、そして縦板と横板は必ず直角に交わるように気をつけましょう。
                    
                    	効率的に十字相欠きを作るために縦板同士、横板同士をマスキングテープなどで固定して作業する方法もあります。
                    	十字相欠きの制作自体は、それほど難しくありません。仕切り位置を決めたら、その位置に仕切り板厚分(今回は14mm)の幅で2本のラインを引きます。さらに仕切り板の幅の中間地点で、その2本のラインを結びます。ラインで囲んだ部分がカットする部分です。
                    
					
						カットする部分に斜線を引くなど、間違わないようにするといいでしょう。
						さらに縁部分や裏側にもカットラインを引きます。
						同様に他の仕切り板にもカットラインを描いていきます。
					
                    斜線部分をカットしていきますが、この時も重ねてテープで固定するなど効率的な方法を考えてもいいかもしれません。
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					ラインの内側を切るようなつもりでノコギリを入れていきます。正しい位置で切るためにガイド用の添え木をして、そこに指でノコギリの刃を押し当てるようにする切り方もあります。
                    ノコギリで縦の切り込みを入れたら、ノミで横の切れ込みを入れ斜線部分を切り出します。ノミは平らな面をラインに沿わせ、内側に刃を向けるようにして削ると削りすぎることがありません。
					組み付ける仕切り板と合わせてみて、切り欠きの大きさを調整します。
                    縦板と横板を組み合わせたら外枠にはめ込んで確認しましょう。
- 山崎さんのワンポイント
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	                		「切り欠きの大きさは、小さ過ぎると組み付けが大変になり、大き過ぎると緩くてグラグラしますから、小さめに切って現物合わせで削っていくのがいいでしょう。ただ、今回のサイズの板でしたら、組み込んでしまえば、それほどグラつくこともないので少し大きめにカットした方が作りやすいかもしれません。」
 
底板の固定
					
						外枠に接着剤を塗ってミニビスで固定します。今回は仕切り板を取り外せる設定にしましたので、仕切り板には接着剤を塗りませんでした。
						同様のボックスを、もうひとつ作ってボックスの完成です。
					
- 山崎さんのワンポイント
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「底板の固定のためにミニビスを打ち付ける時、枠板固定用のネジに干渉しないように打つ位置に気をつけましょう。」
 
仕切り板のバリエーション
					
						今回はバリエーションで、下の段のボックスを少し長めの物も入れられるように2室タイプにしてみました。
						作り方は枠組みを作った時と同様に、仕切りを固定したい位置にネジ穴のガイドをあけ、接着剤とネジで固定します。
						9室仕切りのように自立固定しないので、しっかりネジ止めしておきましょう。
					
- 山崎さんのワンポイント
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「基本的な作り方は同じですから、入れる物や用途に応じて、仕切りの配置を変えてオリジナルのボックスを作ってみましょう。」
 
I字金具の取付
					2段のボックスを動かして出し入れするためのI字金具を取り付けます。具体的に位置決めは、ボックスのサイズと動かす幅によってケースバイケースです。金具を押さえながら何度も動きを確認して位置決めをしましょう。その際に、金具をピンで仮止めして動きを確認するのもいいと思います。
					
						位置が決まったら、ネジ用の穴をあけます。I字金具にはビスが付属しているかもしれませんが、今回は頻繁に動かす場所なのでネジとナットで固定します。
						ネジ穴を開ける時に、裏板を当ててドリルで開けると、裏側にバリが出ずキレイに仕上がります。
					
- 山崎さんのワンポイント
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	                		「I字金具の位置は動きを確認して決めれば問題ありませんが、必ず左右の金具が対称の位置に取り付けられるように位置を測って取り付けましょう。左右の金具の位置がズレていると動かない場合があります。」
 
蓋の取付
					
						蝶番を使ってもいいのですが、今回はちょっとオシャレに蝶番の代わりに革を使ってみました。
						適度な大きさにカットした革を蝶番の位置に当ててビスで固定します。そのままではネジが通りづらいので、錐で革の4カ所に穴をあけてからビス留めします。
						蓋や箱が動かないようにテープなどで固定して作業するといいでしょう。
					
					枠組のネジをタイコ鋲で隠し、額縁の透明シートを両面テープで固定してできあがりです。
- 山崎さんのワンポイント
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「今回は、革蝶番の固定にI字金具に付属していたビスを使いました。余っている材料や身近な素材などを流用するのもDIYの楽しみではないでしょうか。」
 
今回の工具
					今回使用した道具は、ごく一般的なDIY道具ばかりです。十字相欠きの作業でノミを多用しましたが、ノミには刃の大きさでいくつかのサイズがあります。用途に応じて選べばいいと思いますが、いくつかのサイズがセットになったものを購入するのもいいでしょう。ちなみに今回使用したのは12mmサイズです。
- 山崎さんのワンポイント
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	                		「ノミをはじめ、刃物は切れ味が命です。サビて切れ味が悪くなった刃物は、作業効率が悪くなるだけでなく、危険でもあります。特にノミなどの、あまり頻繁に使わないものは使おうとするとサビていることもあります。KURE 5-56 を使って適切に管理して楽しくDIYしましょう。」
 
今回の制作には、こんな道具を使いました。
- 電動ドリル
 - 電動インパクトドライバー
 - L型金尺
 - ノコギリ
 - ノミ
 - クランプ
 - ハンマー
 - 接着剤
 - 筆記具 他
 
Profile
						
							山崎 真希
	                        東京都台東区生まれ
	                        ものづくりナビゲーター
	                        DIY女子部で木工やガーデニングのワークショップ講師として活動
	                        服飾デザイン専門学校を卒業後、舞台衣装製作やスタイリストアシスタントとして活動。
	                        生花店でのアルバイトののち、同僚と共同で生花店を起業する。
	                        店のディスプレイや内装を自分たちで手がけるうち、DIY女子部に出会い、いろいろなワークショップや講座に参加
	                        DIYショーやホビーショーなどのイベント、ムック本などの製作協力、UR賃貸住宅国立富士見台モデルルーム施工などに携わる
	                        現在は、ものづくりのワークショップやイベントを企画・運営する「やまのアトリエ」を立ち上げ活動中。