国沢光宏のホットコラム

Vol.21 ラリー参戦記【2】

当たり前のことかもしれないが、国際格式のラリーに出場している車両を見ると、皆さんバリバリの競技仕様である。けれど私のインプレッサは”限りなく市販車状態”。

具体的に紹介しよう。まずエンジン。グループN規定を満たすためのリストリクター(パワーを落とすために使う装置)を装着し、STI製のコンピューターを付けただけ。燃料もガソリンスタンドで売っている市販ハイオクだ。他のラリーカーを見ると、皆さん『アンチラグ』というアクセルを戻してもタービンの回転数落とさないような制御になっている純競技用コンピューター(セットで70万円程度)を使う。しかも燃料は高オクタンの航空機用有鉛ガソリン(アブガス)ときた。当然触媒無し!純競技用コンピューター+アブガスだと、最高出力260馬力前後。最大トルク60kgm以上に達するそうな。ちなみに私のインプレッサ、2戦目のニュージーランドで使っていた96オクタンのハイオクだと220馬力しか出てませんでした。トルクもノッキング防ぐためノーマルの40kgmよりガックリ落ちてしまっている。このくらいしかパワー無いと、乗っててハッキリ遅い。登り坂主体のSS(競技区間)なんか全然タイム出ません。バリバリの競技車両は車体も凄い!

前後サスペンションの付け根を厚い鉄板でしっかり補強。サイドシルの補強やボディのスポット溶接増しを行っている。サスペンションまで違う。私は1セット30万円少々。皆さん150万円くらいするサスペンションを使っていらっしゃる。ジャンプしたり、荒れた道を全開で走ろうとすると、そのくらいのスペックが必要なんだろう。加えてドライバーときたら半年前に出場したラリーで圧倒的最下位。全然ダメか、と帰りたくなったけれど、ラリーは始まってしまった。またしても圧倒的最下位で日本の恥を晒しちゃう、と思いきや、意外や意外!オーストラリアでは8位という望外の結果を出す。オーストラリアの順位、マグレかと思ったら「初めて出る人には完走することさえ難しい」と言われる2戦目のニュージーランドもトラブル無しに走りきり18位!

そして3戦目の北海道。指定の100オクタンガソリンと『モーターレブ』(飛行機に積めず海外には持って行けませんでした)を入れたインプレッサが、初めて”普通”のパワーになった。もちろんアンチラグ付きの純競技用コンピューターに比べればトルク低いだろうけれど、ラリーがスタートしたら今までより全然チカラ強い!最初のSSのタイム、無理してないのに31台中9位!その後も常時10位前後のタイムで、フィニッシュしたら8位になっていた。困ったことにこのくらいの結果が出ると、誰もノーマルのインプレッサだと思ってくれない。

日本でWRCを開催するようになって、ラリーの人気は急上昇中である。しかし参加しようという人は少ないようだ。聞くと「ラリー車を作る予算が無い」。確かに今までの常識ならラリー車を作るのに数百万円必要。けれど私のように、お金を掛けない方法もあります。

こうなればラリーの最高峰であるWRCにも出なくちゃ!ということで9月29日から北海道で開催されるラリージャパンに出場することにしました。応援して下さい!