国沢光宏のホットコラム

Vol.14 海外のモーターショー事情

日本でモーターショーと言えば『東京モーターショー』をイメージすることだろう。世界中で自動車を販売している日本とあって(アメリカやヨーロッパの場合、域外への輸出比率は案外少ない)多くの国や地域から関係者が集まる。新しい技術や派手なコンセプトカーの出展も多く、今や一番注目されているショーかもしれない。

ヨーロッパでは、隔年開催の『パリサロン』と『フランクフルトショー』(東京と同じ年の9月に開催される)が長い歴史を持つ。長い間、この3つを「3大モーターショー」と称してきた。しかしここ10年くらい、毎年1月に開催される『デトロイトショー』と、毎年3月の『ジュネーヴショー』も注目されるようになっている。デトロイトショーは世界最大の自動車生産国であるアメリカが盛り上げようとしているイベントで、徐々に規模を拡大してきた。しかも日本やヨーロッパの自動車メーカーにとってみれば最も重要なマーケット。アメリカ市場で存在をアピールする好機だと位置づけているようだ。興味深いことにデトロイトショーを見れば、どんなジャンルのクルマが流行るのかハッキリ解る。ここ数年の目玉はハリアーや、ムラーノに代表されるSUV(スポーツ・ユーティリティ・ヴィークル)。上記2モデルを始め、VWトゥアレグ、ポルシェ・カイエン、ボルボXC90、ホンダMDXなど、全てアメリカ市場で売るためのモデルだと思っていい。ジュネーヴショーの特徴は「スーパーカーと高級車」。

スイスという国、政治的に安定しているためかモナコと並んでお金持ちが多い。実際、ひと昔前までのジュネーヴショーに行くとスーパーカーや高級車の商談会のような雰囲気。ベンツもジュネーヴでSクラスなどを発表してきたほど(マイバッハはジュネーヴでデビュー)。モーターショーと言えば美しい女性がつきものだけれど、ジュネーヴは群を抜く。美しいとか個性的というレベルでなく、有無を言わさずノックアウトされてしまう。最近になって”普通のクルマ”が発表されることも珍しくなくなってきた。さて、このところモーターショーに出展させる技術で最も注目されているのは何だと思いますか?

前述の通り自動車の”流れ”が解る2005年のデトロイトショーを見ると、ハイブリッドである。GMはダイムラークライスラーと組んで大々的にハイブリッドをアピール。フォードも2006年から続々とハイブリッド採用モデルを発売すると発表した。もちろんハイブリッド技術で世界を圧倒するトヨタや、独自技術を育てているホンダのブースはライバルメーカーの技術者で大渋滞。秋のフランクフルト、東京もハイブリッドが最大のテーマになるんじゃなかろうか。クルマ好きなら、一度くらい海外のモーターショーを見に行くのも面白いと思います。