国沢光宏のホットコラム

Vol.120 未来のクルマの機能は・・・?

アダプティブクルコンなら速度違反の心配も無い
アダプティブクルコンなら速度違反の心配も無い

 年初に行われたデトロイトショーで発表されたベンツの新型Cクラスには、様々な「半自動運転」装置が採用されている。一方「そんなモノ不要!」と自動運転を全く認めない人も少なくない。果たして自動運転は近未来の技術として重要なのだろうか?最新状況をレポートします。

 自動運転と聞くと、ボタンを押すだけで目的地に向かうような機能をイメージするかもしれない。確かに寝ていても、運転が下手でも安全に目的地に到着するような自動運転もあるだろう。しかし現実を考えれば不可能。自動車よりはるかに精度の高い機器を搭載出来る飛行機ですら自動運転出来ない。 様々な外的変動要因(歩行者や雨、道路工事等々)のある一般交通社会での自動運転は、遠い未来になると思う。それまでは限られた地域や、非常に速度の遅いゴルフカートのような乗り物でしか実現出来ないだろう。安全性を確保するため、コスト負担だって大きいと考えます。

 逆からアプローチすると、最もシンプルな自動運転は「アダプティブクルコン」(先行車との車間距離を維持したクルーズコントロール)だ。例えば100km/hに希望車速をセットしておくと、それ以下の速度であれば先行車に追随して走ってくれる。一度使うと楽さに驚くことだろう。

 次のステップがハンドル操作だ。どんなにクルマが好きな人でも、渋滞だけは楽しくないと思う。私なんか渋滞すると考えただけで出発や帰着の時間を変えたり、日程まで調整するほど。大きな都市の近郊であれば、通過に1時間以上掛かる20km級の渋滞は毎週末のように発生してます。

 アダプティブクルコンだと、アクセルとブレーキから解放されるものの、ハンドルは操作しなければならない。「じゃあハンドルを自動的に動かしてやれば渋滞も大幅に楽になるだろう」とベンツは考えた。前後方向の速度をコントロールするクルコンと、左右方向のクルコンを組み合わせる、ということです。

フロントガラスに装備されたカメラや赤外線センサー
フロントガラスに装備されたカメラや赤外線センサー

 幸い、今やハンドルもモーターでアシストしている。先行車をカメラなどで感知。パワーステアリング用のモーターでハンドル操作し、追尾してやればOK。ベンツは2013年に発売したEクラスから、30km/h以下の速度に限って連続でハンドル操作してくれる装置の採用を始めた。

 乗ると驚く。渋滞のノロノロ走行でスイッチを入れるや、アクセルもブレーキもハンドルもクルマが自動で行ってくれる。2回ほど20km級の渋滞を走って見たところ、楽チンでありました。お気に入りの音楽と、美味しいコーヒーを飲みながらイライラすることなく渋滞を走れてしまう。

 先行車が停車してもアダプティブクルコンでコチラも自動停車。先行車が動き出せばボタンを押すだけで再びアダプティブクルコンは稼働する(停車して3秒間まではボタン操作すること無く自動発進する)。苦痛だった渋滞のストレスも、半分以下になるから有り難いこと。

 もう少し技術に信頼性が出れば、車速60km/hくらいまでハンドル操作を行い、自動停車から1分間くらいならボタン操作することなく走り出すようになる。そうなれば”半”自動運転と言って良い。多くのクルマが半自動運転になる日はそう遠くないと思います。